フリーターが払わないといけない健康保険を徹底解説!


日本では何かしらの医療保険に全員入らないといけません。

日本には、「国民皆保険制度」といって、国民全員が何らかの医療保険に加入しなければなりません。

多くの人が健康保険に入っているので、医療費の自己負担額は、3割になっています。したがって、病院に気軽に受診することが出来ます。

他にも、日本の公的な医療保険には、高額療養費制度という制度があり、収入に応じて月ごとの医療費の自己負担額に上限が定められています。そのため、手術や入院をしても高額な医療費がをまるまる請求されることはありません。

フリーターが入れる医療保険は大きく分けて国民健康保険、社会保険としての健康保険、後期高齢者医療制度の3つです。

後期高齢者医療制度は75歳以上になると加入が義務付けられるものなので、フリーターには関係がありません。したがって、国民健康保険か社会保険のどちらかに加入することになります。

基本的に従業員は、健康保険(社会保険)に入り、勝手に会社が支払いをしています。

健康保険(社会保険)は、全国健康保険協会や各健康保険組合が運営しているもので、これらの健康保険は、基本的に企業に勤めている被雇用者が加入します。

正社員はもちろん、契約社員やパート社員なども、一定の条件を満たすことで加入対象となります。加入対象者になった場合は、加入を拒むことはできません。同様に、企業側が加入させないということもできません。

アルバイト先で社会保険に加入できる条件

週の所定労働時間が20時間以上である

賃金月額が月8.8万円(ただし、賞与や各種手当等は除き、年約106万円以上)である

1年以上勤務する見込みがある

従業員501名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先で働いている

学生ではない(ただし、夜間や定時制など、一部の学生は加入できる)

引用 厚生労働省

または、以下の条件を満たしていても社会保険に加入できます。

1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、正社員の3/4以上

最初の雇用契約が2か月を超えるか、超えることが分かっている

引用 厚生労働省

健康保険料はどのように決まる?

健康保険料は、「収入がいくらあるのか」「どこの健康保険組合に所属しているのか」「どこの地域に住んでいるのか」という3つの要素によって決まります。

健康保険料は、「標準報酬月額」と呼ばれる3ヵ月間の平均賃金を基準に決められるます。標準報酬月額の値に掛ける健康保険料率が、住んでいる地域や所属している健康保険組合によって異なります。 健康保険料率は、大体10%です。これを会社と自分の折半です。

例えば、月収が25万円(年収300万円)とすると、標準報酬月額は26万円(標準報酬月額が25万~27万の間は26万円で計算する)となるので、保険料率9.91%(平成29年、協会けんぽの保険料率)をかけると月額の保険料は、

260,000円標準報酬月額 × 9.91%保険料率 ÷ 2 = 12,870円(月額の保険料

になります。
÷2をする理由は、半額分を事業主が支払うからです。

となります。したがって年間の保険料は、

12,870円月額の保険料 × 12か月  =  154,440円年間の保険料

となります。

社会保険に入れる人は、健康保険以外の社会保険に入る必要もあります。

①雇用保険

雇用保険とは、 労働者の生活や雇用の安定を図るために、様々な金銭的な補償をしてくれる公的保険です。職を失った時は、失業等給付金(いわゆる失業手当)、スキルアップしたいと思った時は、教育訓練給付金、育休中は、育児休業給付金、介護で休職した場合は、介護休業給付金がもらえます。 

②労災保険

労災保険とは、仕事中や通勤中に負傷した場合や障害が残った場合、死亡した場合などに給付金が出る制度です。仕事中や通勤中の思わぬケガやその後障害が残った場合などに、労働者を守るための大切な保険となります。保険料は全額事業主負担となっており、労働者が負担する必要はありません。

③年金(厚生年金、国民年金)

年金は、現役世代が働いて得たお金の一部を、働けなくなった高齢者世代に渡す制度です。年金は日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入する必要があります。

一般的な65歳時点で支給される国民年金を「老齢基礎年金」と呼びます。ただ65歳前でも国民年金を受け取れる場合があります。それが、障害年金と遺族年金です。

障害年金は、自分が障害を負った場合にもらえる年金です。遺族年金は自分が家族を養っている場合のみ当てはまります。自分が死んだら家族にお金がいきます。

④介護保険

介護保険とは、 介護が必要な方(要支援者・要介護者)に介護の費用を一部を給付する制度です。サービスを受ける場合、年収によっては自己負担率が2割または3割になる場合もありますが、 普通は、1割の自己負担で済みます。

以上のように入らないといけない社会保険があります。
それらについてもっと詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてください。

健康保険(社会保険)に入れない人は、国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険は、地方自治体が運営している健康保険で、自営業者や無職の人など、健康保険(社会保険)に加入していない人・できない人が加入する保険です。また国民健康保険は、世帯主がまとめて支払いをしますので、実家暮らしの方は、気にする必要がないかもしれません。

国民健康保険の保険料は、それぞれの加入者の収入と各自治体の制度によって異なります。したがって、自治体の規定によっては、同じ収入であっても、住む場所によって保険料が高額になったり、安くなったりするケースがあります。

国民健康保険の保険料はどのように決まる?

国民健康保険料(税)の計算を始める前に、まず「国民健康保険料はどのように決まるのか?」について説明していきます。

国民健康保険料医療分(均等割+所得割+平等割)+支援分(均等割+所得割+平等割)+介護分(均等割+所得割+平等割)

で決まります。
図にすると以下です。

「医療分」「支援分」「介護分」の説明

「医療分」とは、国保加入者の医療費などに充てられる保険料で、国保に加入している人全員が負担する保険料です。(年間の医療分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。)

「支援分」とは、後期高齢者の医療費の一部を負担するために、国保に加入している人全員(0歳から74歳まで)が負担する保険料です。(年間の支援分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。)

「介護分」とは、介護保険制度(お年寄りや寝たきりの方など、介護が必要になった方が安心して介護サービスを利用できるようにする制度)の支援金として、40歳から64歳までの方が負担する保険料です。(年間の介護分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。)

各項目内の「均等割」「所得割」「平等割」の説明

「均等割」とは、国保に加入している人が均等に負担する金額です。国保には「扶養」という概念がないので、収入のない専業主婦や子ども、無職の方でも、国保に加入している場合は負担することになります。金額は各市区町村ごとに設定されていますので、お住まいの市区町村ホームページなどで確認することができます。

「所得割」とは、国保に加入している人の所得に対して負担する金額で、金額を計算する「所得割率」は、各市区町村ごとに設定されています。専業主婦や子供、無職の方など所得がない場合は負担なしです。

「平等割」とは、国保に加入している世帯ごとに負担するものです。(例、1世帯つき〇〇円)ただし、平等割は負担しない市区町村もありますので、お住まいの市区町村ホームページなどで確認してみてください。

この3つの区分の「均等割」「所得割」「平等割」を計算し、最後に合計することで保険料が決まる仕組みになっています。

国民健康保険の実際の計算

では、計算方法を確認していきましょう。計算例があった方がわかり易いと思いますので、ここから以下のモデルケースでご説明していきます。

①世帯基準額を算出する

世田谷区在住、3人家族で世帯全員が国保に加入。収入と基準額は以下の通りです。

40歳給与収入 4,000,000円
→ 所得金額 2,660,000円
→ 基準額 2,330,000円
39歳給与収入 1,000,000円
→ 所得金額 350,000円
→ 基準額 20,000円
20歳 給与収入 800,000円
→ 所得金額 250,000円
→ 基準額 0円
世帯の基準額の合計 2,350,000円

所得金額というのは、個人事業主なら確定申告書の「所得金額の合計」、サラリーマンなら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に書いてある数字です。

ちなみに給与所得控除で引いている額は、以下です。

会社からもらえる給料控除される金額
収入が180万円以下 65万円
収入が180万円~360万円 収入金額×30% +18万円
収入が360万円超〜660万円以下 収入金額×20%+54万円

妻と子はアルバイトをしているので、65万円を引けます。一方で、夫は国民健康保険に入っている人なので事業を自分でしています。なので給与所得控除は当てはまりません。

所得金額が分かったら、次に所得金額から33万円を差し引きます。※33万円は基礎控除というもので、すべての方に適用される所得控除となります。そうすると基準額が出ます。

②所得割額を計算する

先ほど求めた基準額を、以下の①~④に当てはめて計算します。

所得割額は所得が一定以上ある方にだけかかります。基準額が0円以下になる場合は所得割はかかりませんので、次の「その4.均等割額を計算する」に進んでください。

計算式シミュレーション
①医療分基準額×7.25%2,350,000円×7.25%=170,375円
②支援金分基準額×2.24%2,350,000円×2.24%=52,640円
③介護分40~64歳の方の基準額×1.76%2,330,000円×1.76%=41,008円
④合計①+②+③170,375円+52,640円+41,008円=264,023円

※基準額に乗じている割合は平成31年度の世田谷区の料率です。料率は市区町村によって異なります。

ここで得られた264,023円が「所得割額」です。

③均等割額を計算する。

均等割額は、1世帯あたりの加入者数と、介護保険料の対象になる加入者数にかかる部分となります。以下の⑤~⑧を計算します。

計算式シミュレーション
⑤医療分加入者数×39,900円3名×39,900円=119,700円
⑥支援金分加入者数×12,300円3名×12,300円=36,900円
⑦介護分40~64歳の加入者数×15,600円1名×15,600円=15,600円
⑧合計⑤+⑥+⑦119,700円+36,900円+15,600円=172,200円

ここで得られた172,200円を「均等割額」といいます。

④最後に所得割+均等割

最後に所得割額と均等割額を合算すれば保険料の年額がでます。自治体によっては、平等割がこれらにさらに加えられます。

計算式シミュレーション
⑨合計④所得割額+⑧均等割額264,023円+172,200円=436,223円

シミュレーション家族の年間保険料は436,223円となりました。世田谷区の場合は毎年7月~3月の9回に分けて納付することになります。※納付期間や回数についてはお住まいの自治体でご確認下さい。

但し保険料には上限があります。

保険料の計算方法をご覧いただいてお分かりのように、国民健康保険料は、「世帯所得」、「加入する人の数」、「40歳~64歳の人の数」によって決定します。つまり所得が多ければ多いほど、また加入者数が多ければ多いほど(40歳~64歳の人が多ければ尚更)保険料は高くなります。

但し、際限なく上がるわけではなく、国民健康保険料には上限額が設定されています。

以下は平成31年度の東京23区の上限金額です。

内容上限金額
①+⑤ (医療分)610,000円
②+⑥ (支援金分)190,000円
③+⑦ (介護分)160,000円
合計 (保険料年額)960,000円

つまり東京23区の場合、国民健康保険料の年間上限金額は960,000円になります。

実際に自分の国民健康保険がいくらなのかを計算したい方は、こちらのサイトを使えば、自動的に計算してくれます。

国民健康保険を払わなかったらどうなる?

督促から差し押さえまでの流れ

国民健康保険料の納付額が決まると、市町村から納付状が届くこととなりますが、そこには納付期限が書かれていますので、その期限までに保険料を納める必要があります。

しかし、何らかの事情で納付期限に間に合わなかった場合には、市役所などから督促状が届くようになります。

さらに、督促状が届いてからすぐに納付すると問題ない(延滞利息3%~9%の負担要)のですが、その督促も無視していると、財産などが差し押さえられる事になります。

ちなみに、差し押さえられるのは「預貯金・生命保険・給与・年金・売掛金・不動産・動産(自動車・バイク・宝飾品など)」など、財産と呼べるものは、殆ど差し押さえの対象になっています。

社会保険に入れない人でも、健康保険以外に国民年金の支払いは、必要です。

国民年金を満額受給するためには20歳から60歳までの期間を滞りなく納付する必要があります。令和元年の国民年金の保険料は、月額16,410円です。

受取額は、 国民年金は「加入期間(保険料納付期間)の長さ」のみで額が決まります。ですから計算方法はシンプルです。

計算式は以下のとおりです。

78万100円(令和元年度)×加入期間(月数)(保険料納付期間)/480

20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料をちゃんと納付していたら、満額の約80万円を受け取れることになりますが、納付している期間が短くなるとそれだけ年金額が減る仕組みです。

例えば、30年(360カ月)間加入(保険料納付)したとすると、ざっくり言って、80万円×360/480で60万円ということになります。

フリーターの年金についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてください。

フリーターを続けるとだんだん生活が苦しくなっていきますよ。

以下の図は、厚生労働省が平成29年に調査した雇用形態による賃金の違いです。

非正規雇用の人は、10年後、20年後にも年収は、変わらないですが、正社員は、年収が倍くらいになっています。年収以外にも、正社員だと社会保険料をしっかり払っているので、生活が安定しています。

フリーターの収入が上がっていかない理由

アルバイトの仕事は、基本的にやる気があれば、誰でもできる仕事に企業は、設計しています。
高いスキルが必要とされないので、ある程度の労働条件を出せば、多くの人が応募してきます。仕事に応募してきた人の中から安い人件費で、多く会社に貢献する人が採用されます。

もちろんバイトでも働いたら大変なんですけど、仕事の設計上努力をしても、中々時間給が上がらない仕事をしているんで、企業は、給与を中々上げられないのです。

企業の人件費割合は、2~3割くらいです。ということは、年収1千万が欲しかったら、あなた3000万円~5000万円くらいの売上を出す必要があります。会社員は部下を持って他人にお金を稼いでもらったり、スキルを付けることで、自分の時間給を増やします。それは、フリーターのままではできないと思います。

フリーターの末路が気になる方は、以下のページを読んでください。