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大学を中退した人の35%が正社員で、45%がフリーター、20%がニートです。
労働政策研究・研修機構が調査した「大学等中退者の 就労と意識に関する研究」の中で、 高等教育(大学、大学院)を中退退学した人が中退した後、どのくらいで企業の正社員として就職するのかについて調査しました。

その結果、 約35%の人が大学を中途退学して、企業の正社員として働いています 。
企業の正社員になったかが分からない就業形態不明や未就業(ニート)を合計したら、約20%です。
それ以外の約45%の人が、 アルバイト・パート、派遣社員・嘱託などの非正規雇用 の仕事についています。
以上より大学、大学院をを中退した後3割しか正社員になれないので、就職状況は、厳しいことが分かります。中退してから3か月以内に企業の正社員になれた人は、わずか10%です。
とはいえ、大学中退後に正社員になる人は、います。その体験談を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
大学中退後、フリーターをしているといつか詰みますよ。
そもそも正社員になるには、タイムリミットがあります。
年齢が高い人と女性は就職に不利です。
下記の図は、労働政策研究・研修機構(JILPT)で行われた第4回 若者のワークスタイル調査の結果です。フリーターをいている期間と正社員に就職した人の割合を性別で調査した結果です。

男女ともにフリーター歴が長くなると就職が出来なくなっています。また女性は、男性に比べると就職率が低いです。
フリーター歴が長い人の就職率が落ちる理由は、企業の採用担当者があなたの年齢と経験、経歴を見ているからです。企業がフリーターを正社員に採用する際は、あなたが就職したら成長してくれるのかを見ています。
企業が求めることが成長である以上、年齢が若いほど就職への意識が高いと捉えられ、正社員になりやすいです。女性に関しては、出産して辞めるのではないかと思われています。
大学中退後にフリーターが詰むと思う理由
理由① 結局生きていくには、お金が必要
フリーターが良くないと言われる理由は、やはりお金です。1人暮らしとかしていれば分かると思うのですが、生活にお金は、必要です。
しかも人生は、結構長く日本人の平均寿命は85歳です。30歳で就職しても残り55年あります。親と同居していても、恐らくあなたより先に亡くなります。
そうすると自分のお金で生きていく必要があります。毎月の生活費が10万円でも、年間120万円です。それを50年間分必要だとしたら、6500万円くらいは必要です。
それをフリーターとして、集めるのは結構大変だと思います。
理由② フリーターだと時給が上がらない
以下の図は、厚生労働省が平成29年に調査した雇用形態による賃金の違いです。

非正規の人は、10年後、20年後にも月収が、変わらないですが、正社員だと倍くらいになっています。
給料が倍あるのは、働いている時間が倍なのではありません。普通の人ではできない価値のある仕事をしているので、給料が上がっているのです。
正社員として会社に入ったら3年は辞めるなと言われていますが、それは3年くらいはやらないと仕事に必要な経験・スキルが身につかないからです。
市場価値が上がれば、時給が上がりますので、同じ時間働いて、給料が倍もあり得ます。なので正社員の方が楽といえば、楽なのでしょう。
フリーターが年齢と共にどのような生活するか気になる方は、以下の記事を読んでください。
理由③ フリーターは、雇用が安定していません。
正社員ならクビにならないということではないのですが、非正規の方がクビになりやすいです。
アルバイトは、有期雇用といって最初からいつか辞めてもらうように設計されています。しかし正社員だと無期雇用なので、解雇されづらいです。
しかも正社員なら保険に絶対に入っています。解雇されるにも、雇用保険でお金がでます。倒産などでも、失業保険でお金が出ます。
もし就職活動をしたいなら、以下のページそ参考にしてください。
大学を中退してフリーターをしていたことは、就職に不利?
大学を中退すると就職が出来ないという訳ではありませんが、 就職活動が不利になります。
大学中退が就職で不利になる理由
理由① 新卒採用枠ではなくなる
大学を卒業して新卒として就職活動をすると、新卒枠で採用されます。日本では、新卒一括採用が主流になっています。若手の人材をどの会社も一気に採用するので選択肢が多いです。
大学を中退すると、中途採用枠になります。そうなると欠員補充などがメインになります。そうなると空きポジションが空いたら、入社ということになります。
とはいえ、それは就職までの話で入社後は、仕事の実績が見られるようになります。なので転職市場や入社後数十年後まで中退したことが不利になるかといえば、全然違います。
理由② 中退したことが敬遠されやすい
中退が不利になる理由は、企業をまた辞めるのではないかと思われるからです。
大学を中退する人は、勉強が面白いと思えなかったとか、単位を落としてしまってそのまま辞めたとか、バイトの方が楽しいと思ったとか、人間関係を大学で上手く築けなかったとか、家庭の金銭的な事情で、授業料が払えなくなった人など様々な理由があると思います。
中退のことを話す際には、同じことは絶対に繰り返さないと伝えてください。大学は、学費を払ってサービスの受け手として参加しています。仕事になれば、サービスを提供する側になります。
当然求められることのレベルは上がります。それにも耐えられると伝えてください。
大学中退者に企業が求めること
企業の採用担当者が大学中退者に期待していることは、入社後に成長して、企業の利益に貢献してくれる人材になってくれることです。
大学を中退した人が、社会人経験や業務にまつわる知識・スキルがないことは、企業の採用担当者も分かっていますし、企業もそこには期待をしていません。
したがって、以下のことをアピールしましょう。
- 出来る人の意見を素直に聞け、成長出来るか?
- 入社意欲が高く、入社後に辛いことがあっても頑張れるか?
もちろん企業によって、細かな採用基準は異なります。しかし多くの企業採用担当者が共通して、チェックしているのは上記のようなものです。
うしろめたいことがあった反省して行動していると伝えてください。
大学中退した人の多くが、面接で大学を中退した理由は、必ずと言っていいほど聞かれます。
その時後ろめたい理由で辞めた場合、つい良く見せようと嘘をついてしまう人もいると思います。しかし逆効果になる可能性が高いです。
企業は、入社後辞めないで、成長して会社に将来的に貢献するかを知りたいのです。また中退している人に会いたくないなら、書類選考を通過できません。
なのでやましい理由がある人ほど、「大学を中退してしまったことを言い訳せずに、反省して次の行動をとっている」と言いましょう。
そうすると反省していると思われ、今後に期待しようと思われやすいです。
面接のことについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでください。
大学中退した人は、ハロワーク、エージェント、就職サイトのどれを使うと良い?
地方の人、年齢が高い人におすすめのハローワーク
メリット
ハローワークが抱えている求人の数は、どの就職サイト、転職サイトよりも圧倒的に多いです。またハローワークは、求人の紹介だけに加え、個別に転職活動の相談ができたり、職業適性検査を無料で受けることが出来ます。書類選考や面接の練習などを支援してくれるのも良い点です。
しかも、ハローワークは、どんな経歴、経験がダメでも平等に扱ってください。40代くらいで実績がない人にとってはありがたいと思います。
デメリット
ただ問題点として、求人の質がかなり玉石混合で、ブラック企業もあります。たまに求人票と実態が大きくかけ離れている場合があります。
私の知っている人で、入社したら給与が6万円だったとか、正社員契約でなくて、アルバイト契約だったなどの被害報告を受けました。
自分が受けたい企業が決まっている人におすすめな求人広告
メリット
Re就活やリクナビ既卒ダイレクトなどが有名で、自分の希望の条件で企業を探せます。自分で気軽に求人に応募できますし、求人サイトからスカウトメールを送ってくれたりします。
自分がどんな企業をうけるたいか明確に決まっている人におすすめです。
デメリット
求人広告は、経歴に自信がある人や、自分がどんな企業に応募したいか、自分で書類選考から面接対策まで出来る人には、良いですが誰にも相談できないのはデメリットでしょう。
離職率が高い企業や求人と実態がかけ離れていないかも自分で確かめなくてはいけませんし、不採用になった時に企業が理由を教えてくれません。
まだ何の仕事につきたいか決まっていな人におすすめなエージェント
メリット
エージェントのメリットは、求人の選び方、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策までやってくれます。
またエージェントが求職者を企業に推薦したりしてくれます。大学を中退していても、その時の事情なども伝えてくれたりします。
また研修付きのエージェントなどもあり、そういったエージェントだと研修をうけた後就職活動です。研修をうけたことをアピール材料に出来ます。
デメリット
エージェントのデメリットは、地方にエージェントがあんまりなかったり、エージェントに通ったりする手間がかかることがあげられます。
あと社会人経験者向けのエージェントに登録すると求人を紹介してもらえない可能性があります。
大学中退した人は、就職支援を頼みましょう。
大学を中退しても就職支援を受けて、就活すれば就職率は劇的に上がります。
ただでさえ大卒より少ない求人の中で、良い企業を見つけて書類選考などをうけて見ても不採用が続いたりしたらやっぱり、大学中退の人に正社員は無理なのかなとか思い始めます。
したがってハローワークかエージェントを頼りましょう。
地方に住んでいる人は、ハローワーク。都心に住んでいる人は、エージェントが良いと思います。
エージェントの方が求人やサービスの質が高いです。一方地方にはエージェントがないので、そういった人は、ハローワークを使いましょう。おすすめのエージェントとエージェントの使い方は、以下のページにまとめてあります。
大学を中退したフリーターが出来る仕事
①商品やサービスを売る仕事(営業職・販売職)
商品やサービスを売る仕事は2つに分類されます。営業職と販売職です。
営業職、販売職共に、最終目的はいずれも「商品を売る」ことです。
営業職と販売職の違いは、営業職だと家などの高い商品が売っていることが多いのに対し、販売職は、スーパーやコンビニなど安いものをたくさん売っている場合が多いです。
営業職は、売る力が必要な一方、販売職は、たくさんの人に商品を売るために店舗運営が大切だったりします。
②物を作る仕事(エンジニア)
ITエンジニア、家を作る施工管理、商品を大量に生産する工場員、デザイナーです。物を作る仕事の醍醐味は、やはり完成した時の喜びでしょう。
あなたが住んでいる家だって誰かが作っているからあるのです。自分が一生懸命作ったものが世の中で使われているときの喜びがあります。
③サービスを提供する仕事(サービス業)
サービスというのは、商品など有形なものを提供するのではなく、無形なものを提供します。
例えば、ウェディングプランナー、スポーツトレーナー、塾講師・英会話教室の運営、児童指導員、介護、障碍者支援、ホテル・空港のスタッフ、キャリアアドバイザー、ツアーコンダクターなど様々です。
エンジニアなどは、お客さんから直接喜んでもらえる機会が少ないですが、サービス業は、良い仕事をすれば、直接喜んでもらえます。
④会社をサポートをする仕事
事務職・管理職系職系の仕事は、主に企業を後方から支えるのが仕事です。
仕事としては、人事、経理、事務(一般事務、営業事務など)などです。未経験から就職するのは、かなり難しいです。理由は、バックオフィス系の仕事は、求人数自体がそもそも少ないです。